ロビンソンのまいにち

フリーランスで本のデザインとDTP

フォントのはなし

 本を作るとき、最初に悩むのは本文の書体選びです。

 本を開いている間、常に目にするものなので慎重に考えます。

 内容に合った表情の書体を使うのは、料理に合ったワインを選択するようなもの。

 料理の素材を知り味を感じ、ワインの重み、コクとの相性を精査する。

 

 

 『日本の自然風景ワンダーランド』で使った書体は「りょうText」です。

 ふくよかで優しいフォント。

 専門的な言葉が散見される地理学の本が、心地よく頭の中に入ってくるはずです。

 

 『日本の自然風景ワンダーランド』

 小泉武栄・著 ベレ出版

 

 カバーデザインは竹内雄二さん。

 

 DTPを担当しました。

 書体選びは編集者との協働です。

Fax?

 ある施設を使うため、そこの事務所に電話をすると「申込書をFaxで送るので記入して送り返してください」と言われました。

 Faxって?

 もう10年くらい使っていません。

 受信モードにして、Faxの前でじっと待ちました。

 少しずつ吐き出される感熱紙は茶色になっていましたが、幸い文字は読めました。

 

 フリーランスとして仕事を始めたとき、Faxは最初に揃える機材のひとつでしたが、状況は変わりました。

 書類はPDFにしてメールで簡単に送れます。

 ぼくの仕事ではすっかり出番がなくなってしまいましたが、必要とされる場所がまだあることを知りました。

 

 

 

辞書の匂い

 本を広げ、顔を近づけると辞書の匂いがしました。

 紙とインクの香り。

 たぶん小学生の頃にかいだ辞書と同じ匂い。

 そんなことがあるでしょうか。

 使われている紙とインクが辞書特有なものだとは思えません。

 小説など一般書との違いはなんだろう。

 文字数の多さ。

 インク量の多さ。

 それが強い香りを放って、記憶にある辞書と結びついたのかもしれません。

 

 

 『プラクティカル 医学略語辞典』

 後藤幸生・著 南山堂

 

 カバーデザインを担当しました。

 

小さい扇風機

 ノートパソコンが熱を持ちます。

 冷やすため、小さな扇風機を回しました。

 いい具合に冷えます。

 ついでに手元も涼しく快適です。

 ただ、パソコンの横に置いた書類がフワリと舞ってしまうのは困ります。

 

 

 

週末の朝

 

 

 

 週末の朝だけ、玄関の掃除をします。

 本当は毎日した方がいいのですが、部屋の掃除だけでいっぱいいっぱいです。

 

 

 箒ではいたあと、古布で拭きます。

 土足で歩くところだから、布は真っ黒になります。

 新しい仕事が入ってきますようにと祈りながら。

 

音読特急



「中身は読むのですか?」

 

 本のカバーを作っていると言うと、ときどき聞かれます。

 読みます。

 少なくともその努力はします。

 打ち合わせのときに、担当者から本の概要とデザインの希望を聞き、目次と原稿をもらいます。

 専門書だと理解できない部分も多く、読めているとは言えないのですが、ひと通り原稿に目を通します。

 原稿はまだ揃っていなくて、一部分のこともあります。

 デザインのヒントを見つけようと必死に読んだりはしません。

 ゆるく読みながら、本の全体像をイメージしていきます。

 一番大きなヒントは、担当者との会話の中にあることが多いのです。

 

 『特急シリーズ』は、あらかじめ原稿を見ることがなく、本ができてから読みます。

 テスト対策のような真剣な読み方ではないから、本来の使い方ではないでしょうが、楽しんで本を広げています。

 『音読特急』は、スマホで音声を聴き流すだけでも英語の勉強になる気がします。

 

 『TOEIC®︎ L&R TEST 音読特急 速聴力をつける』

 駒井亜希子 Daniel Warriner・著 朝日新聞出版

 

 カバーデザインを担当しました。

仕事の前に

 仕事を始める前に、必ず掃除をします。

 仕事部屋だけでなく、家全体に掃除機をかけます。

 いつからこの習慣がついたのか。

 きっかけはコードレスの掃除機を買ったことでした。

 取り回しが想像していたより楽で、少し大げさにいえば新しいスクーターを手に入れたような気分。

 近所を乗り回すだけでは物足らず、三浦半島一周に出るように、家の中を隈なく掃除し始めました。

 おもちゃはいつか飽きるもの。

 それでも部屋が綺麗になる快感が、この素晴らしき習慣を生んだのでした。