ロビンソンのまいにち

フリーランスで本のデザインとDTP

文学フリマ東京39

文学フリマ東京39に出店します。

12月1日(日)12:00~17:00

東京ビックサイト 西3・4ホール

E-15 ロビンソン・ファクトリー

 

主催者HP

https://bunfree.net/event/tokyo38/

 

入場料1,000円

18歳以下 無料

 

 出店者入場証が届き、気がつくと残り10日ほどに迫っています。

 準備期間は十分あったのに、今回は新しいものは作れませんでした。そんなに数を増やす必要があるのかと考えてしまったからです。

 

 会場を回っていると、1冊の本しか売っていない人を見かけます。

 それしか作れなかったからだと思うのですが、たった1冊を何部か重ねて机の上に置いているその姿は清々しく、野武士のようにも、女神のようにも見えてしまい、ふらふらと近づいて手に取ってしまったことは何度もありました。

 あの格好良さが頭に浮かぶと、机の上に何冊も隙間なく並べてしまう自分のブースの方が貧弱に思えてしまうのです。

 1冊で勝負、これがぼくの代表作、人生のすべて、感性の結晶。

 

 でも結局、1冊に絞ることなどできないのです。

 たくさん並べれば、一つくらい気に入ってもらえるものがあるかもしれない。そんな思いがどうしても離れず、どこに何を並べるか、ディスプレイを考える毎日です。

トラブルは突然

 突然、外付けのハードディスクが認識されなくなりました。

 いろいろ試してみましたがだめで、メーカーに送ってデータ復旧を頼みました。

 しばらくして「データ復旧できません。分解して調べることはできますが復旧の確約はできません。復旧できた場合、金額は20万円以上かかります」だいたいこんな内容のメールが届きました。

 20万円!

 仕事のデータさえなければ諦めているところです。

 仕事とはいっても、すでに終わったものだけで、もう一度使うことがあるのか微妙なところです。

 なんとなく試されているような気になりました。

 どれだけ真面目に仕事に向き合っているのかと。

 もっとも、古いデータとはいえ紛失させているので、管理が甘い、真剣に向き合っていないと言われも反論できません。

 別の業者に頼んでみました。

 結果は同じでした。クリーンルームで分解して調べれば復旧できるかもしれないとのこと。ただ金額はメーカーより少し安い。

 迷うことなくお願いしました。

 数日後、復旧できましたと、データのリストが送られてきました。

 復旧されたデータが入った新しいハードディスクが届くのを待っている間、そこに含まれているデータを参照しなくてはならない仕事が入ってきました。

 やはり試されたような気がします。誰に?

 

 

文学フリマ東京38で買った本

 出店していると遠出ができず、ご近所さんでしか買えませんでした。

 

 

『言葉の解釈』前田洋平

63ミリ×100ミリの小さな本。

48の単語を独特な感覚で説明しています。

「ノート」本音と落書きの隠れ蓑。見せられないけどいつか見つかれ。

 

 

『color of Sicily』千草湊

シチリアの写真集。添えられた短文が、夢のような旅の空気を表しています。

 

『zone』高橋由季

どこか懐かしさを感じさせるイラスト集。おまけに可愛いポストカードをもらいました。ありがとう。

 

『中島が磯野を野球に誘い続ける365日カレンダー』本多へいはちろう

タイトルそのまま、『サザエさん』家のカツオを、同級生の中島君が野球に誘う365通りの台詞。

とてつもない力作です。

6月28日

「おーい磯野、野球しようぜ! 今日は審判免許持っている人連れてきたよ!」(前日に磯野が判定の不服を訴えたから。)

 

『㐧一芸人文芸部』創刊準備号 創刊準備二号

吉本芸人が書いた小説、俳句、書評。

芸人というだけで「面白そう」とハードルが上がるのに、それを軽々飛び越えてきます。

 

『春を見に行くヤナギ君の幻影』カミヤマショウキ 谷脇クリタ

歩いていて無料でもらったコピー。2人の短歌と小説。

無料なので期待しないで読んでみたら、ちょっと面白いです。

文学フリマ東京38

 文学フリマ東京38に出店します。

 5月19日(日)12:00~17:00

 東京流通センター 第二展示場Fホール

 そ-49 ロビンソン・ファクトリー

 

 主催者HP

 https://bunfree.net/event/tokyo38/

 

 入場料1,000円

 

 

 残念なことに今回から入場料が必要になりました。

 わずか1,000円、いいえ1,000円は大きい。

 バイトなら1時間分です。

 売る本の価格に悩みます。

 できることなら安くしたい。

 でもコストがかかっているので、それなりの価格をつけたい。

 本音を言えば、高くても買ってもらいたい。

 もっと本当のところを言うのなら、立ち止まってほしい、そして手に取って欲しい、それだけでいい。

 このイベントに生活はかかっていないので、そのくらいの心の余裕は持ちたい。

 

 割り当てられた第二展示場Fホールは、いままでほとんど行ったことがありません。

 第一展示場に出店していたときは、まるで外国のごとく遠い場所でした。

 ここにはクルミドコーヒーが出店していて、以前から行ってみたかったのです。

 ぼくのブースからコーヒー店は近いといえば近いし、少し遠いといえば遠い。でも外国ほどではありません。

 

 ぼくが出店するのは詩歌(イラスト・写真)のエリアです。

 その一番端っこ、通路に面しているので眺めのいい岬のように開放的でしょう。

 このカテゴリーの本は、小説や評論に比べると手に取りやすく、わかりやすい雰囲気のものが多い気がします。

 

 入場料のために訪れる人は減るのか、それとも変わらず混雑するのか。

 人混みは苦手なのに、多くの人に来てもらいたいと願っています。

 

 

 

 

古くて新しいフォント、写植の文字が蘇る

 新しいフォントを使うというのは、新しいシャツを着ることと似ているかもしれません。

 どこへ、どんなコーディネイトで出かけるか。

 どんなレイアウトの中で、どの文字と組み合わせるか。

 

 今秋モリサワから写研のフォントが発売されます。

 待望の石井明朝、石井ゴシック、ゴナが使えるようになるのです。

 当時の写植の雰囲気を残した「改刻」というラインナップがあります。

 印画紙に文字を撮影する写植は、文字が微妙に滲むのですが、それを再現したらしい。

 滲みは、文字を組んだ時に柔らかい雰囲気を生みます。

 いまで言うところの「エモい」でしょうか。

 

 印刷物の多くが写植で組まれていた時代は、すでに30年も前のこと。

 ぼくは当時を知っていますが、一緒に仕事をしている人の多くはおそらく知らないでしょう。

 そんな若い人たちの目に、写研の文字は魅力的に映るのだろうか。

 ぼくの目に、ノスタルジーではない、純粋に素晴らしいフォントとして映るのだろうか。

 

 

 

アルフレッド・セイバル氏のポスター

 以前、ニューヨークの地下鉄駅構内に、印象的なポスターが貼ってありました。

 地下鉄のミュージアムショップに行くと同じものを売っていました。

 購入してから長く部屋の壁に貼っていたのですが、引っ越しの度に貼ったり剥がしたり、いつの間にか周囲がボロボロになってしまいました。

 みすぼらしくなったものを貼っているよりはと、写真に撮り、サイズを小さくしてプリンターで印刷しました。

 フレームに入れて飾ると、これはこれで素敵です。

 でも、1メートルを越える大きさが良かったのだとも気づくのです。

 

 

超特急が始まる

 TOEIC対策の本、「特急シリーズ」の新刊が出ました。

 判型が少し大きくなった「超特急」です。

 

 表紙のデザインはほぼ同じですが、アイコンを新しくしました。

 パッと見た目にはわからない程度の小さな変化。

 

 アイコンは「カモノハシ」の愛称で親しまれた700系の新幹線をモデルにしています。

 この車両は2020年に引退して今は走っていません。

 最新のN700系をモデルにしたものも作ったのですが、選ばれませんでした。

 あまり可愛く描けなかったためではないかと。

 

 このシリーズが定着しますように。

 祈ることしかできません。