ロビンソンのまいにち

フリーランスで本のデザインとDTP

ランチタイム

 昼食はだいたい作ります。

 一番多いメニューはオムレツ。

 年間200食ほどになるでしょうか。

 毎回真剣に調理をしていたら、プロになっているかもしれません。

 いや、200回程度でなれるほどプロは甘くないでしょう。

 オムレツのプロになりたいのかというと、そうではありません。

 ただ、これだけ作っていても、毎回形が違うことを考えると、きっとぼくは調理の仕事は向いていないのです。

 適性がない職業がひとつわかっただけでも、作り続けた意味はあります。

 

 

フレックス

 1人で仕事をしているので、時間は自由に調整できます。

 出勤、休憩、退勤。

 でも、気を緩めてしまうと何もしないで1日が過ぎてしまうため、規則正しい生活をしています。

 昼休みは12時から。

 昼食を買いに出かけます。

 街に人が溢れてくる時間帯。

 自由なのに、よりによって混む時間を選んでしまうのは、かつての会社勤めの体験が、いまだ身体に残っているからでしょうか。

 昼休みに、仕事から一時的に解放された人たちの和やかな姿を見ると、同僚と一緒に過ごした日々を思い出します。

 

 

 

フォントのはなし

 本を作るとき、最初に悩むのは本文の書体選びです。

 本を開いている間、常に目にするものなので慎重に考えます。

 内容に合った表情の書体を使うのは、料理に合ったワインを選択するようなもの。

 料理の素材を知り味を感じ、ワインの重み、コクとの相性を精査する。

 

 

 『日本の自然風景ワンダーランド』で使った書体は「りょうText」です。

 ふくよかで優しいフォント。

 専門的な言葉が散見される地理学の本が、心地よく頭の中に入ってくるはずです。

 

 『日本の自然風景ワンダーランド』

 小泉武栄・著 ベレ出版

 

 カバーデザインは竹内雄二さん。

 

 DTPを担当しました。

 書体選びは編集者との協働です。

Fax?

 ある施設を使うため、そこの事務所に電話をすると「申込書をFaxで送るので記入して送り返してください」と言われました。

 Faxって?

 もう10年くらい使っていません。

 受信モードにして、Faxの前でじっと待ちました。

 少しずつ吐き出される感熱紙は茶色になっていましたが、幸い文字は読めました。

 

 フリーランスとして仕事を始めたとき、Faxは最初に揃える機材のひとつでしたが、状況は変わりました。

 書類はPDFにしてメールで簡単に送れます。

 ぼくの仕事ではすっかり出番がなくなってしまいましたが、必要とされる場所がまだあることを知りました。

 

 

 

辞書の匂い

 本を広げ、顔を近づけると辞書の匂いがしました。

 紙とインクの香り。

 たぶん小学生の頃にかいだ辞書と同じ匂い。

 そんなことがあるでしょうか。

 使われている紙とインクが辞書特有なものだとは思えません。

 小説など一般書との違いはなんだろう。

 文字数の多さ。

 インク量の多さ。

 それが強い香りを放って、記憶にある辞書と結びついたのかもしれません。

 

 

 『プラクティカル 医学略語辞典』

 後藤幸生・著 南山堂

 

 カバーデザインを担当しました。

 

小さい扇風機

 ノートパソコンが熱を持ちます。

 冷やすため、小さな扇風機を回しました。

 いい具合に冷えます。

 ついでに手元も涼しく快適です。

 ただ、パソコンの横に置いた書類がフワリと舞ってしまうのは困ります。

 

 

 

週末の朝

 

 

 

 週末の朝だけ、玄関の掃除をします。

 本当は毎日した方がいいのですが、部屋の掃除だけでいっぱいいっぱいです。

 

 

 箒ではいたあと、古布で拭きます。

 土足で歩くところだから、布は真っ黒になります。

 新しい仕事が入ってきますようにと祈りながら。